ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】

優しい男

一人残されたホームに、どれくらいいただろう。

ムッとした熱気が、ホームに立ちこめている。



コツ…



いつまでも、ここに居ても仕方がない。

ノロノロと改札を出て、自宅のある駅へ向かった。


真っ暗なスマホの画面を見る。

拓海からのメールはない。


当たり前か…


二年前の春に、Jazバーでバーテンダーをしていた拓海と出会った。


何度か通ううちに、話すようになって、拓海がイタリアンの料理人を目指して頑張ってることを知った。

アパートの更新時期が迫ってる拓海に、「一緒に住もう」と誘ったのは私。


あれ?

私って、ただの同居人?







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