ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
列車は、見慣れた街に到着した。

藤枝さんにお礼を言い、自分の部屋の扉を開ける。

懐かしい拓海の匂いがした。

すぐに目に飛び込んできたのは、二人が写った写真だ。

目を伏せて、通り過ぎる。


すぐに洗濯を開始する。

拓海のスウェットも、洗濯機へ放り入れる。


半日もあれば、乾くだろう。


翌日は、部屋の片付けをし、丁寧に掃除機をかけた。

床も磨き上げた。


片付けや掃除をしながら、この二年間のことを分析していく。


ただの同居人か…


自嘲気味に、乾いた笑いが漏れる。


「引っ越そう…」


拓海との思い出が溢れていて、この部屋に一人で住むことはキツい。


自分の要らない物を、どんどん捨てた。









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