ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「…っく、……ううっ……っく」

拓海の心なんて、知らなきゃ良かった。

大阪で、拓海を見かけても、気付かない振りをすれば良かった。


なんにも知らず、気付かず、ただ毎日、拓海と過ごしていたら……

ううん、それは違う。

そんな関係は、いつしか壊れる。


あの晩、怖かった。拓海が、全く知らない男のようだった。

思わず、頭に浮かんだのが、藤枝さん…

どうして、あのタイミングで?


チャラい男はダメ。顔がいい男もダメ。


だんだんと、ダメな条件が増えてく。


ふふ…

もう、一人きりでいい。

誰かを好きになるなんて、懲り懲りだ。


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