ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
月曜日が来た。

朝、いつもより少し早めに出社した私は7階の総務部へ寄らず、人事部へ行く。


…いた。矢神さんだ。


「おはようございます。矢神課長。
平川です」

自席に座り、すでに仕事中の矢神さんに話しかける。

「おはようございます。平川さん。
早いですね。人事部長の香坂から話がありますので、そこで掛けてお待ち下さい」

簡易応接へうながす。

「はい」

と言い、矢神さんをチラッと見る。


パチッ


ちょうど、矢神さんも私を見ていたようで、目が合う。


ドキッ


び、びっくりした…




言われたとおり、簡易応接で待つ。


コツ、コツ、コツ…

軽快な靴音と共に、香坂部長が現れた。

立ち上がり、挨拶する。


「平川 琴子さん。本日付けで、総務部 経理課から総務部 秘書課へ異動してもらいたい」

「秘書課…ですか?」

「きみが、仕事を覚えることが早く、記憶力も良いことは聞いているよ。
それに、前職は光本生命で役員秘書をしていたよね?その能力を、我が社でも発揮してもらいたい」








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