偽恋
食堂開放予定時間7時ぴったりに扉を開放すると、社員のオジサマ方が雪崩るように飛び込んでくる。
それをサラリと避け、次のオジサマ方が発せられる言葉を待つ。
「蓮ちゃんおはよう!今日新入社員入るんだろ?楽しみだなあ」
「蓮ちゃん、今日の飯なあに?」
「蓮ちゃん今日も可愛いねー!おじさん毎日頑張れるよ!」
「蓮ちゃん」
「蓮ちゃん」
「蓮ちゃん!」
にこりと笑みを貼り付けながら、後ろ移動でゆっくり厨房へと移動する。
「今日は肉野菜炒め、白菜と白身魚のポトフ、ご飯に、味噌汁とお漬物、ベーコンエッグに焼き魚です。あ、納豆とおひたしもありますよ。今日は新入社員さんこられるので、あまり騒いだり、部屋勧誘は一週間後くらいで…明日新入社員さん達の歓迎会やりますので、皆さんお腹を空かせて帰って来てくださいね」
なるべく大きな声ではっきりと言って、俺は洗い物をする為に戻った。
