同居ノススメ

この家には自分1人だと
思っていたところに足音がする。

桃は恐怖から少し大きめの声で

「誰?誰かいるの?」と言うと
寝室のドアがゆっくりと開いた。

桃の目に飛び込んできた男性の姿を
見て思わず

「うわっ!イケメン!

って・・失礼。

あなた・・・どちらさま?」

と今度は少し強い口調になった。


「あっ、大丈夫?
どこか打った?大きな音がしたけど。

まだ熱があるんじゃない?」

と言いその男性は、
桃の近くに寄ってきて、

桃のおでこに自分のおでこを
合わせてきた。

桃は一連の流れを見ながら

『こっ、これはいま流行りの
おでコツンじゃありませんか!?』

と、内心驚きながらも
男性の目から視線を外せずにいた。


その視線に男性も気がつき、

「ほら、まだかなり熱いじゃん。
お粥できてるから、食べな。
薬も飲まないとでしょ?」

と言い、

桃を半分抱えながら、
リビングへと運んだ。

軽く宙に浮いた桃は、
その男性のスマートな身のこなしに
ドキドキしながら、
リビングに辿りつけた。


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