同居ノススメ
慎太郎は、チェックシートと
バインダーを取り出し
早速取り掛かろうとした。
桃は隣りで
何をするのかと思っていると
膝の上で頬杖をつきながら、
2人の前を通り過ぎていく人たちを
眺め始めていた。
桃が隣りにいるだけで
安心し、温かい気持ちになり
慎太郎は集中して
調査することができた。
すると隣りから
ポツリポツリと聞こえてくる
桃の独り言に耳を傾けてみた。
『ん・・・夫婦・・かな』
『カップル?新婚さん?』
『ん・・・友達?』
『恋人未満?』
慎太郎は、その独り言が
何のことかさっぱりわからず
手を止めて聞いてみた。
「桃、さっきから何を?」
「あっ・・口に出てた?
男女で歩いてくる2人を見て
勝手に想像してたの!
夫婦か、カップルか・・
友達か・・って。
結構、面白いし、楽しいよ?
その代わり、
正解はわからないけどね!」
とニコニコして答えた。