同居ノススメ

慎太郎は亜紀を見送り

恐る恐る病室のドアに
手をかける。

ドアを開けると
白のカーテンの
向こう側に桃の足が見えた。

ゆっくり歩を進めていくと

ベッドに横たわる
痛々しい桃の姿が目に入る。

左腕と左足はギブスで固定され
右腕には点滴の針が刺されていた。

慎太郎は、近くにあった
椅子に腰を下ろすと
桃の頬に手をかざし、

「桃・・痛いか?

痛かったか?」
と聞くと同時に溢れる涙を
とめられずにいた。

すると桃の目元がピクっと
動き、ゆっくり目を開け、
何度か瞬きを繰り返した。

視界がはっきりせず
視線が定まらない様子だったので

慎太郎は、
「桃?桃・・」と声をかけると

桃は頬を緩めて

「慎太郎・・?」と

呼ぶと同時に
慎太郎と視線をぶつけた。


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