同居ノススメ


それから2人は、
慎太郎が用意してくれた
料理を食べながら、

たくさん話しをし、
笑いあった。

慎太郎は、空いた食器を
片付けようとするフリをして
1枚の用紙を

桃の前に広げて差し出した。

この用紙は、
慎太郎がこの家に引っ越してきて、
役所での手続きをした時に
こっそり一緒にもらってきていたもので


『婚姻届』と
茶色い文字で書かれていた。


すでに慎太郎と
証人2人の名前が
記載されており、

1人は桃の職場の園長、
もう1人は高木にお願いした。

桃が入院している間に
慎太郎は、桃の職場を訪れ

園長に挨拶を済ませ、

証人欄への記入を
快く引き受け入れてもらっていた。


高木には、
プロポーズまでのいきさつを
全てを話した。

高木自身、慎太郎から
そんなに重大な役割を
任されるとは
思っていなかったので

震える手を抑え、
長谷川に励まされながら、
書き終えた。

< 197 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop