同居ノススメ

俺は、運んできた荷物を
リビングに置くと
玄関先でうずくまってしまった
彼女に気が付き、
ベットまで運ぼうと、抱き上げた。

辺りを見回し、
寝室と思われるドアを開け
彼女を横たえると
無造作にまとめられていた
お団子のゴムも外れてしまい
長い髪の毛が解きほぐされた。

息苦しそうにする彼女に気が付き
口元を覆っていたマスクを外すと、

素顔が顕になり、驚きとともに
息を飲んでしまった。


『思っていた以上に・・キレイだ・・』


職業柄、女性とはたくさん接し、
いろいろな表情を見てきたが、

これほどまでに一瞬で
自分が惹かれてしまったことは
経験がなかった。

きっとノーメイクに違いないが、
くっきり2重に、長いまつげ、
キメの細かい白い肌に熱のためか?
少し赤らんだ頬。

唇は薄めだが、なぜかそこに
そそられてしまい
一点に視線が集中してしまった。

『この唇を・・
今すぐ奪ってみたい・・・』

と、一瞬頭をよぎったが、
そんな想いを振り切り、

キッチンと冷蔵庫を借りて
おかゆでも作ってみようかと、
寝室を後にした。


しっかし彼女が
買ってきたものって・・

飲み物とゼリーばっかり。

冷蔵庫には、ほとんど何もなく
ネギと玉子だけという
女子力のかけらもない食材ばかり。


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