君を選んだから
普段から須賀くんは人懐こくて甘え上手だし、周りの人たちに好かれていると思う。

なるべくしてそうなったんだろうと目の前の光景を見てればわかるし、末っ子感丸出しで今日は一段とカワイイ。


こんな風に拗ねたり、グダクダ言ったりするのも家族の前だからだよね。

いろんな顔が見られて面白いし、幸せ。


____ ピンポーン。


ホッコリした気分で微笑ましい家族の団欒を観察していたら、玄関のチャイムが鳴った。

もしかして、お義姉さんが来たのかな?


「は〜い。陽奈ちゃ〜ん?」

「はい。遅くなってすいません。」

「ううん、いいのよ。今、行くから。」

「はい、すいません。」


インターホンを通さず、庭から直接呼びかけるお母さんの大きな声に、答えを返して来たのは落ち着いた雰囲気の優しい声。

声だけしか聞いてないのに、絶対、美人なんだろうなって想像が付く。


どんな人なのかな。

ワクワクしちゃう。

だって、お兄さんが一生の伴侶として選んだ相手なんだよね。


そういうのって、憧れちゃうな。

結婚生活ってどんな感じなのか聞いてみたい。

それから、もちろん、学生時代の須賀くんの話も、ここの家族の話も。

上手く仲良くなれると良いんだけど.......

< 20 / 188 >

この作品をシェア

pagetop