君を選んだから

「もし好きな人がいるんなら、こんなこと頼んじゃ悪かったかなと思ったから。」

「あ.......なるほど。」

「迷惑じゃなかった？」

「うん、全然。」

「マジ？ なら、良かった。悪かったな。」

「ううん。本当に全然、大丈夫。」


悪い訳ないじゃん。

こんなに役得だらけの一日なんだから。

むしろ楽しいことだらけで感謝したいくらいだよ。


「ちなみにその人、俺の知ってる人？」

「へっ？」

「教えてくれたら協力するよ。」

「さ、さぁ、どっちでしょう。教えな〜い。」

「いいじゃん、言っちゃえよ。」

「やだよ！！ 絶対やだ！！」


須賀くんは私の顔を覗き込むと、プっと吹き出した。

なんで笑うのよ。

いきなりとんでもないこと聞くから、私は超必死なのに！！


「うそ。無理には聞かない。だけど、お前はいい奴だから、幸せになってほしいなって思ってる。これはホント。」

「..........。」

「てか、仕事できるし、顔だって悪くないし、結構いい女なのにさ、なかなか彼氏できないよな。」

「はぁ？」


それは余計なお世話です。

だったら、今すぐ、あなたが幸せにして下さい。