君を選んだから
運命的な出会い?を果たしてから、数日後、早くもグリーンピアの店舗完成の知らせが入った。

この業界に有りがちな工事遅延もなく、予定通りに進み、まずは順調な滑り出しだ。

自分のためにも、匡史のためにも、気合いを入れて頑張ろう。


「正式名称、グリーンピア潮台店。オープンは12月7日水曜日。で、次週、一斉陳列にご協力下さい、だって。」


たった今、さらに送られて来たFAXに目を通しながら、主任がボソっと言う。

おっ、ついに来た。

真っさらの何もない広い売り場をゼロの状態から作って行く作業は、大変だけど達成感があって好き。

今回はうちの商品の占有率も高いし、ピカピカの新店だから、特に張り切ってしまう。


「売り場面積広いし、いっぱい入れてもらってるから、みんなで行くか。」

「そうですね。」

「じゃあ、とりあえず、あおいちゃんの他に、須賀と俺と他にもう一人、二人、行けそうなら行くって、先方に連絡しといて。」

「はい。」


やった。やっぱり須賀くんも一緒だ。

これで楽しみがまた増えた。


うちのチームの一番下っ端はうちら二人だから、取り引き先からこの手の応援要請が来た場合、大抵は参加させられる。

いろいろと勉強にもなるし、体力、気力、集中力がいる作業だから、若手に振られるのは当然と言えば当然なんだけど。

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