ずっと、ずっと。【短編】




意味がわからない


なんで嫉妬なんてするの?



冴島くんの好きな人は彼女さんで、


私のことなんて見てすらいなかったのに・・・




混乱のピークにいる私。


「お前が好きなのはみなみ?
鈴木海波(スズキミナミ)なの?」


「・・・へ?」

アホみたいな声を出した私。

誰?それ。


「お前の隣の席の男だろ。」


「え?ええ?みなみくんでしょ?鈴木?え?」



みなみが名字なんじゃないの?


だってみんな、みなみってよんでるし・・・。


「みなみくん、鈴木っていうんだ・・・」


そのつぶやきが聞こえたようで、


急に笑顔になる冴島くん


な、なんなの・・・。


「つまり、だ。
別にみなみのことが好きで名前で読んでたわけじゃないんだな?」


「え、う、うん。」


「なら、あの約束はまだ有効だよね」



「・・・え?」



「まさか忘れたわけ?」


信じられないとでも言いたげな顔をする彼。



「ご、ごめんなさい」


私が謝ると


仕方ないな。



とでも言いたげな顔をして



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