甘いだけの恋なら自分でどうにかしている

「ていうか、中村は加賀くんとどうしたいの?」
「え?」
「中村の気持ちは?」
「私の気持ちっすか? え、どうなんだろう」

口ごもってから、ただと口を開いた。

「乙ゲーに身が入らないっす」

もじもじして答える。その感じが可愛くて、なんだか抱きしめたくなる。
中村も何かしらの好意はあるようだけど、認められないといったところなのかな。それともただ気になるだけなのか。

「そういえば私も最近ねこかき集めしてないな」

以前はまっていたゲームを最近していないことに気がついた。

「かき集めてないんすか?」
「うん……なんかさ、好きでやってると思っていたことでも実は好きでやってるわけじゃなくて、自分を満たす為にやっていたこともあったのかな。
ゲームやってるときは楽しかったしね。レア猫集めて可愛いとか思ってたし。
でもたぶん自分の中が心地いい感覚とかそういうもので満たされたら、魅力を感じなくなったり、自然とやらなくなったりするのかなぁって、今、思った。
中村も同じなんじゃない?」
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