甘いだけの恋なら自分でどうにかしている

加瀬沼公園に着いた。
バーベキューができる広場や子供の遊べる遊具もあり芝生が広がっている。
荷物を分けて運び、キャンプ用の椅子やテーブルを設置する。
野菜をカットしていると、課長は火を手際よく起こし、網の上にきりたんぽを焼き始めた。
「課長のこんな姿、なかなか見れない光景っすね」と中村が言う。
「きりたんぽ職人」と私が呟いているのが聞こえたのか、「お前ら」とまた睨まれた。

眺めていたくなる手際の良さに
「課長って器用なんですね」
「別に普通だろ」
「普通と言いますけど、できない人はできないですよ」
「まあ、小千谷よりはうまいだろうな」
「……え、料理あんまり感伝わってましたか」
「そりゃあんなゆっくり切ってたらな」
「ぐっ」

それにしても天気が良くて気持ちいい。紅葉した木々も優しく迎え入れてくれているようで、感謝の気持ちが湧いてくる。
大きな鍋に具材を入れると、気が付けば課長が鍋奉行と化していた。
バーベキューの食材を焼いてくれていた加賀くんが「お肉焼けてきたよ」と声をかけてくれたので、そちらに移動した。
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