クールな同期が私だけに見せる顔
こじれた恋のなおし方

『私、省吾の家に行ってみたい』

『俺んとこに?何で?』

『何でって、普通行くでしょう。付き合ってるんだから』


週が明けて、夜、彼が来た時にもう一度同じことを言った。

「私、省吾のところに行きたいな」
言ってみたけど、やっぱり断られた。


「どうして?家に行く事、そんなに嫌がるの?」

「家に来たって、意味がないだろう?
どうして部屋になんか来たがるんだ?」


「じゃあ、聞くけど、省吾は、私の家に来るのは意味がないの?」

私は、そのことがずっと引っ掛かってた。

どうして来てほしくないと思うのかな。
省吾は、理由を一切言わない。

「別に、どうでもいいだろう?」

家に来たいっていう人に対して、彼は、こんなふうに、誰でも断ってしまうのだろうか?

「逆に、どうしてそんなに来たがるのさ」

「さあ、単なる好奇心かな。
省吾って自分のことあんまり話さないから」


「そう」

予想以上に、かたくなな態度だった。
私は、それ以上話を続けるのを止めてしまった。

省吾は、私が納得してないうちに話を打ち切った。


私は、何も言えなくなった。
ずっと、黙り込んでいるわけにはいかない。

私は、これ以上会話を続けるのはよくないと思って話題を変えてしまった。

逆に、省吾は断らないで、部屋に招いた女の子は、過去にいたのだろうか?

そのことばかり考えていた。

近づきたいってメッセージはくれるのに。

いざ、行動を起こすと拒否るやつ。

どっちが本当の省吾なの?
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