クールな同期が私だけに見せる顔

店の前で省吾と別れて、一人で電車に乗った。

彼は、家まで送っていくって何度も言ったけど、私は彼の申し出を断った。

気持ちの整理がつくまでは、省吾と距離を置いた方がいいだろう。

そんなことよくわかってる。

だから、送らなくていいって断って、彼のこと拒絶してたのに。

私を追いかけて来るのではないかと。

彼が、慌てた様子で、追いかけてくるんじゃないかと。

当てもなく、駅の改札で待っていた。


美登里さんを部屋に招いた時、私がそばで見たことを省吾は知らない。

省吾、私が言うまでバレてるって気が付かないだろうな。



黙っていれば、このまま付き合っていられる。

省吾は、毎日私のところに帰ってくる。



それでいいじゃない?


でも、それでいいの?

ずっと、決着がつかないまま。

いいえ、結果なんてずっと前に出ているはずなのに。

どうがんばっても、諦めきれずにいる。


泣きたいなんて思ってない。

なのに、恥ずかしいくらい涙が出て止まらない。



私も、このことについて、すごくショックを受けている。

すごく、深いところで自分の気持ちが、どんなことになっているのか。
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