クールな同期が私だけに見せる顔
「晴夏、待てって。ちゃんと言うから」

「いいわ。聞いてあげるから話して」

「うちの部で、今、大騒ぎになってる。
経費精算の不正が見つかったんだ。
領収書の金額を1桁足して申請したり、架空の出張が申請されてた」

「どういうこと?」

「ほぼ美登里が一人でやったんだろう。今、社内で調べてところだ。
それ以上詳しく言えない」

「そのことと、どういう関係があるのよ」

「不正が発覚するのを避けれるために、俺に穴埋めしてくれって美登里が頼んできたんだ」

「脅されるの?あなたが?」

「そう」

「あら、そう。そんな話し信じろって言うの?
ちゃんと話す気はないのね。それなら帰るわ。
美登里さんとお幸せに」

「晴夏。冗談でもそんなこと言うな」

「省吾、誠実じゃないのは、あなたの方じゃないの?」

「あのなあ、美登里に要求されたのは、俺自身じゃないから」

「ん?」


「美登里が寄こせって言ったのは、金なんだ」


「はああああ?ど、どういうことよ」

イケメンに体、要求しないで金出せってこと?

「美登里は、営業の伝票を不正に書き換えて水増し要求してたんだ。

あいつが経理の仕事もしてたから、発見が遅れた。

会社はもう、そのことを把握していて、調べ出してる」

「それで、俊介さんも時季外れに研修だと言ってこっちに来たのね?」

「ああ、そうだ」

「それで?どうしたの?」

「どうしたのって。どうもしない」

「そうかな。美登里さん、何であなたにお金を払えって言ったの?」

「さあ、頼みやすかったんじゃないのかな」

「なに、誰にも言わないから言ってごらん?ベットでの恥ずかしい写真とか、撮られたの?」

「お、お前、何言ってんだ!!そんなわけないだろう!」
省吾は、顔を真っ赤にして、本気で否定してる。

「じゃあ、なに?」

「携帯で写真を撮られたんだ。
ずいぶん前の、不意打ちで口元にキスされた写真が残ってて」
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