クールな同期が私だけに見せる顔


「島村課長が、このことを気にしてたから、そのうち問題になると思うな。
課長、晴夏のとこにも話を聞きに行くと思うから、驚かないで」

「そう、わかった。教えてくれてありがとう」
私は、彼に微笑んで見せた。


こう見えて、省吾はとても律儀な性格だっだ。

彼は、家で会社の話や、仕事の話を極力しない。

彼の近くにいるようになって、始めて気がついた。

もともと、自分のこと話す人じゃなかったけど。

省吾が、仕事の中身とか、同僚の個人的な話を自分からすることは、まずない。

私が、そっちに話を振っても、何となく話題を変えてしまう。


何でだろう。

しばらくそう思っていた。

彼の整った容姿を見れば、周りも彼をすぐに受け入れる。

いろんな部署の、いろんな人と付き合いがあるし。

廊下で一緒にいると、通りがかりに声をかけていくのは、いつも彼の知り合いだし。

彼は、人当たりが良いい。

明るいから調子よく見える。

何でも話してくれそうに見えるけれど、実は、そうではない。

< 86 / 220 >

この作品をシェア

pagetop