フラワーガーデン【アリシア編】
「治療費は最低でも500ドルは必要だよなぁ」

「あんた自身で返してくれてもいいんだぜ」

生気の無い4人の顔が薄っすらと笑う。

「すみません。今は100ドルしかありません。これで許して下さい」

「この子が何か?」

お金を差し出そうとした時、私の目の前に先生の背中が現れ、男たちとの間に壁を作る。

「なんだよ、お前!邪魔すんなよ。今、この子に大怪我させられたんだよ」

「俺達と1回ずつとその100ドルの500ドルで手を打ってやるよ」


男達は私達を囲むと、先生を小突き始める。

先生は庇うように私を背後に隠す。

「それは無理な相談だね」

「何、こいつ、ヒーロー気取りしてるんだよ」

一人の男が回り込んで私の肩を掴んだ瞬間、シュッと翳が走る。

かと思うとその男は突然、顔面を押さえて「痛って~!痛ぇよぉ」と泣き叫びながら地面を転がり回っていた。


「おい!どうした?大丈夫か?」


仲間たちが顔面血だらけになった男を囲むように集まっていく。


「いけねっ!」


先生が私の手を掴み走り出す。


「手加減は難しいよ……」

私は一体何が起こったのか分からないまま、独り言を言う先生に手を引かれ、全速力で走っていた。


< 160 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop