フラワーガーデン【アリシア編】
そうだわ!

ナイフの刃を出すと、自分に向け持つ手に力を籠める。


「アリシア?まさか……馬鹿な事は止めるんだ!」


先生がナイフを取り上げようとするよりもはやく、私は髪をざっくりと切り落としていた。


ハラリと床に落ちる髪を先生は呆気に取られながら見ていた。


先生は跪き、床に落ちた髪を手にすると淋しそうに呟いた。


「美しい髪だったのに……。そうまでして、君は……」


いきなり頭が軽くなった私は、今までに味わった事の無い爽快感を感じていた。


「わーい。すごく軽いわ!え?先生、何か言った?」

「……………メチャクチャだ。僕が切り揃えてあげるよ」


先生ははぁ~と深い溜息を零し、私からナイフを取り上げると、髪を切り始める。


「え?あれ?こっちが短い……。うーん、こっちが今度は……ご……ごめん!なんか短い!」


暫くすると先生は真っ青になって手で顔を覆う。


私の髪はショートヘアになっていて、更に軽くなっていた。


「ふふっ。これでオッケー♪先生、ジーンズとTシャツを貸して!」


先生は私に服を手渡した後も、呆然としてそこに立ち竦んでいた。


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