フラワーガーデン【アリシア編】

第15節 モーテルの一夜

絶対、見られた。

落ち込みつつ、チロンと先生を睨む。

「見た?」わよね。
「いっ、いや!ぜんっぜん!あの……全く、殆ど、全然!」

はぁ~。
先生ってば優しいウソで返してくれる。

でも、どうせ見られるくらいなら、

「フリルの可愛い下着を着とけば良かったわ」

「いや、そんなことないよ。花柄でも十分……あっ!」

「やっぱり見たんじゃない!!!!先生のばかぁぁぁぁぁぁ」

「……はい。すみません」


先生のバカ!
先生のバカ!
先生のバカ!


心の中で100回以上唱えた頃、汽車は次の駅に滑り込む。

私は先生の後に続いてタラップを降りようとしたけれど、先生が突然止まるから、おでこを彼の背中にぶつけてしまう。


「先生?」
「しっ!」


先にホームに降りた先生の後に続くと、その理由がわかる。



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