Ri.Night Ⅳ
「オイオイ、俺のせいにしないでくれよ」
「……え?」
思っていた答えとは違う答えに思わず眉を潜ませる。
……中田が命令をして襲わせたんじゃないの?
「俺は何もしていない」
まるで心の声を聞いていたかの様なタイミング。
そのシレッとした表情に段々と怒りが募っていく。
「……ハッ、今更そんな嘘信じると思ってるの!?」
吐き捨てる様にそう言い放ち、グッと拳に力を込めた。
散々陽を付け回しといて、今更そんな嘘が通用すると思ったのだろうか。
それをあたしが信じると思った?
だとしたらナメられたものだ。
そんな嘘、信じる訳ないじゃない。
今まで幾度となくハメられてきたんだ。
もう騙されない。
「嘘だと言われても真実なんだからしょうがない」
中田はそう言うと、ワザとらしく肩を竦めてみせた。
その仕種に苛立ちが募る。
もう、この感情を心の内に留めておく事なんて出来なかった。
ギリッと血が出るぐらい強く唇を噛み締め、上目でその感情を露にする。
「………」
「………」
あたしが黙った事によって訪れた静寂。
誰一人として言葉を発しようとはせず、重苦しい雰囲気がその場に漂った。
視線は逸らされることなく交えたままで。
中田は口を開こうともしなければあたしから視線を逸らすこともしなかった。
目を細め、その表情を探る。
だけど、中田の表情にはこれと言って変化は見られない。
徐々に浮かび上がってくる疑問。
それは“中田が真実を言っている”ということだった。