Ri.Night Ⅳ


「綺麗な夕焼けー」


「そうだね~」


「二人共、のんびりしてる暇ねぇぞ?直に日が暮れる」


「あ、そうだね!早く行かなきゃ」


苦笑している彼方を見て、ポンッと思い出したように手を叩く。


「っていうかこんなとこからどうやって下に降りるんだよ?」



不思議そうにそう呟く陽。



「こっちだよ!秘密の階段があるの!」



そんな陽にこっちこっちと手招きすると、屋上の端まで行き、下を覗き込んで指差した。



「ちょ、まさか凛音ちゃんこのはしご登ってきたの?」


「うん、そうだよ?」


目をまん丸にして驚く壱さんにさらりとそう応えると、隣で陽が「デンジャラスー!」と雄叫びを上げた。


「オイオイ、マジかよ……」


三メートルはあるであろうはしごを見て、苦虫を噛み潰したかのような顔で苦笑する彼方。



「ビビるな彼方!」


そんな彼方の背中をバシンと一発叩き、よいしょと掛け声をかけながら壁をよじ登る。



「り、凛音ちゃん!」


「凛音、気をつけろよ!?」



壱さんと陽の焦り声に「大丈ー夫、大丈ー夫!」と余裕のピース。


夕日に背を向け、一歩ずつ慎重に降りていく。


頭上からは心配そうな壱さんの声がずっと聞こえていて、ストンと地面に足をついた瞬間には「はぁ…」と盛大な溜め息が落ちてきた。


そんなに大きな溜め息つかなくても……と思っていたら。


「りっちゃんりっちゃん!ちゃんと見てて!っていうか超怖ぇー!!」


すぐ真上にブルブルと震えながら降りてくる彼方の姿が。
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