Ri.Night Ⅳ
口元が微かに動いているところを見ると、何かブツブツ言っているようだ。
怖くない怖くない、とおまじないでもしているのだろうか。
と思っていたら、彼方が突然合図も無しに走ってきた。
そして、
「ん゙ーーー!!」
変な掛け声をかけながら思いっきりジャンプ。
「ぎゃあぁぁぁぁあ!!」
物凄い雄叫びが響き渡った後、何とか無事にあたしの目の前に着地した彼方はそのままバランスを崩して転倒。
あらまぁ……。
「彼方、大丈夫?」
そろっと近寄る。
すると。
「……りっちゃんひでぇ。受け止めてくれるって言ったのに……」
ジトッと恨ましげな視線が返ってきた。
「ごめんごめん。なんか身の危険を感じて」
ポリポリと頭を掻いて苦笑する。
「………」
……うぅ。突き刺さる視線が痛い。
「彼方、凛音ちゃんが受け止められないのは仕方ないよ。体格差があるんだから」
「そーだよ。彼方受け止めたら凛音潰れちゃうじゃん」
「うわっ!びっくりした!」
「陽、いつの間に跳んだの!?」
いきなり降って湧いた陽に飛び上がる彼方とあたし。
「そんなびっくりしなくてもいいじゃん。彼方が転がってる間に跳んだんだよ」
相変わらず高いとこ駄目だなー、と呆れた顔で笑う陽。
彼方と違って余裕綽々だ。
「ホラ、彼方いつまで転がってんの。早く行くよ」
行く気満々の陽に触発されてスクッと立ち上がったあたしは、彼方の手をグイッと引っ張った。