時にはケダモノくんなのです
五十鈴君に遼のことを話そうか話さないか考えているうちにお昼になってしまった。
「萩野!
今日中庭行こう」
五十鈴君が立ち上がって私にそう言う。
「折原君は?」
いつも3人で食べてるのに付き合った途端2人はさすがにまずいんじゃ…
「あ、健人なら今日昼に職員室に用があるから2人で食べていいって言ってたんだよ」
教卓の近くにいる折原君を指差す五十鈴君。
それなら大丈夫かな…。
「そうだったんだね!
なら中庭行こうかな」
荷物を持って私も五十鈴君と同じように立ち上がる。
「やっと二人きりになれる〜」
なんて五十鈴君は少し恥ずかしいことを口にする。
普通にこういうことって言えちゃうの…?
私はまだ目が長く合うだけでも変にドキドキしちゃうのに…。
いつか慣れてくるものなのかな…。
「そ…そうだね!」
機嫌の良さそうな五十鈴君を見てちょっと嬉しくなった。