猫柳の咲く季節に


だけど、それから何日か経ったころ。


今度は、希美へのいじめが始まった。


どうやら、あの事件の犯人は、希美だったらしい。


悲しそうな希美の表情からして、本当のよう。


でも、そんなことはこのころの俺には、どうでもよかった。


誰が犯人でもいい。


ただ、あいつを返してくれれば、それでよかったんだ。


だから、こんな無意味なことをするやつらが許せなくて、ばからしくて。


俺も、人のこと言えないけど、何もかもを失った今ならわかる。


冷静になって、ちゃんと考えることができるようになった。

< 436 / 514 >

この作品をシェア

pagetop