猫柳の咲く季節に


「好き、って…どういうこと?」


「多分…付き合いたいの好き」


その質問に答えるのが、なんだかものすごく恥ずかしい。


だけど、本当のことだから、言葉にしないといけない。


「本当に、好き……なの?」


首を縦に振ってうなずく。


すると、希美は顔を赤く染める。


「な、にそれ…今さら、気付いたの…?」


「ごめん」


長い間、待たせてしまった。


もしかしたら、希美の気持ちが変わっているかもしれない。


だけど、それでもいい。


もう、俺のことを好きじゃなくても…


ただ、気持ちを伝えたいだけ。


なのに…

< 477 / 514 >

この作品をシェア

pagetop