猫柳の咲く季節に
「これからも、よろしく」
やっぱり、怖い。
あのときのトラウマが、一瞬にしてよみがえってくる。
私はもう、だめかもしれない。
そう思いながら席に着いたとき、近くの席の男子が私に言った。
「何があったのかは知らないけど、とりあえず頑張れ…!」
柔らかく微笑みかける彼。
この世界には、まだこんなにも優しい人がいたなんて。
私は今まで何をやっていたんだろう。
自分が傷つくことばかり怖がって、ずっと逃げてきた。