猫柳の咲く季節に



「…おつかれ」


「おう!さんきゅっ」


グッと、親指を立てて、私に見せた。


「そういや、永瀬は今日誰か来んの?」


「うん。友だちが…」


「そっかー!やっぱ、来るよねー」


誰かいないかなー、と独り言のようにつぶやいた入谷くんは、なんだか切なそうで…


「どうしたの…?」


そう、聞かずにはいられなかった。


「実はさー、俺学級委員だから休みが間々で、今、1時間だけ急に空いたんだよね。だから、誰かヒマな人探してるんだけど、なかなか知り合いに会えなくて…」


< 74 / 514 >

この作品をシェア

pagetop