強引社長の不器用な溺愛
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探し当てた請求書はなんとメモなどの裏紙の束の中にあった。
馬鹿なのか。あいつは馬鹿なのか。
大事な請求書を裏紙にする気だったのか。
私は軽く呪いながら、衿奈ちゃんに請求書を渡し、彼女は銀行にすっ飛んで行った。
今ならギリギリ今日の日付で入金できるというお時間。
「篠井、いつもスマン。ありがとうな」
私の正面のデスクから副社長の堂上さんが声をかけてくる。
堂上さんは八束社長の大学時代からの親友で、同い年の30歳。一緒に企業した仲間だ。
紙媒体の広告デザインの責任者でもある。
穏やかで線の細い人で、社長とは真逆の性格だ。
「いえ、ところで社長は18時に帰ってくると思いますか?」
「今日は安野産業だろ?そのままあちらの方々と飲みに行っちゃうんじゃないかな」
「ですよねー」
同感です。そんなこったろうと思ってます。