強引社長の不器用な溺愛
情熱があるから気になる仕事はいつまでも追いかけるし、口を出す。
しかし、ひとたび別に面白そうな仕事が見つかると、そっちに猛ダッシュ。
情熱と同じくらいむらっ気もあるから、それをケアする人間も必要で、手間がかかることこの上ない。

ただ、ひとつ。
これだけは間違いないということがある。

八束東弥は人間的魅力がずば抜けている。

カリスマというものが持て囃されて随分経つけれど、彼もまたその性質の持ち主だ。
ただそこにいるだけで、人を惹きつけてやまないタイプなのだ。


「八束は、前に立つタイプだからさ」


「ええ、わかっています。私たちは、裏方ですね」


光る人間は前に出て話すだけでいい。
支えるのは周りがやる。

それは、私と堂上さんを始め、この会社の社員全員の意見だろう。
結局のところ、どれだけ文句を言っていたって社員は八束東弥が好きなのだ。


「あいつは仕事増やすだけ増やして、どっか行っちゃうだろ。これからも篠井の助けが要ると思う」


「あまり手伝いたくないですが」
< 13 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop