強引社長の不器用な溺愛
「おまえが戻れっつったんだろうがー」


「早すぎです。なんですか?本当に仕事してたんですか?ゆっくりめのランチですか?」


「ちゃんと安野産業でおまえの従兄サマと打ち合わせしてきたわ!疑うなら、敬三さんにメールしてみろ!」


私はスマホを取り出し、安野産業で常務を務める従兄の敬三さんにLINE。


「えーと、あ、本当に打ち合わせだったんですね。……ふむふむ、家系ラーメン麺固め油少なめ全部のっけを食べながら……へー、ほー」


「ランチミーティングっつうな」


「ラーメン屋で。ほー、さすが社長。凡人とは違いますな」


「馬鹿にしてんだろ」


私たちが小学生男子なら、お互いの頬っぺたでもねじりあげながらの会話だっただろう。
一応、大人なので、ねめつけ合うだけにしてますけど。

ま、いいよ、許すよ。
指示通り戻ってきたし!


「では、さっさとお仕事お願いします」


彼の仕事ケースに決済書類をばさりと置く。今日は結構量が多い。私と堂上さんでやらずに済んでよかった。


「おうよ、なんだおまえ、早く帰りたいのか?」


「どうでしょう、みんな日々忙しいですから」


「意味深だな、おい。リア充アピール半端ないわ」


私は社長を無視し、自分も仕事をまとめてしまうことにした。
早く帰れるならそれに越したことはない。終業後にはお楽しみが待っているのだ。



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