強引社長の不器用な溺愛
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生きとし生けるものはみな平等。
誰もが日々を懸命に生きている過程で、些細な過ちくらいは起こす。
それが、八束社長毎度の
『やっべー、忘れてた』
に端を発する急な仕事だったりしても、心の広ーい私は許してやるわけですよ。
気づいたのが、よし帰って明日の午前返却のDVD見るぞ~っていう金曜の19時45分だったとしてもね!
「篠井、一連托生って言葉を知ってるか」
キラリと歯を光らせ私の肩にポンと手を置く社長。
うるせー!
アホ社長!
「社長と同じ蓮の上で生き死にする気はないです」
「そう言うなって。俺一人じゃ月曜までかかっちゃうだろ」
私はアハハと陽気に笑う。
「かければいいじゃないですか。どうせ、先方だって今日もらっても見ませんよ」
「甘いな!年末の印刷所は激混みだ。明日も稼働日なんだよ。もちろん、あちらさんの担当も土曜出勤だーっ!」
言うなりでかい図体で私の周りをくるくる回り出す社長。こんなでかい犬、嫌。
「命令だ!デザインを俺が作ってる間に、一緒に提出する資料を作れ!」