1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「さてと、蓬は台所頼んでいいか?」

「了解です」

 部屋にやって来たものの、借金取りさん靴のまま上がったのか床の上に土が…。

 とりあえず、高さのあるところから片づけていきましょう。床は最後です。

 ゴミ袋を何か所かに設置して、壊れてしまったものやあきくんの判断でいらないものはポイポイ捨てていきました。ついでに大掃除です。

「あれ?あきくん、これなんですか?」

「は、どれ…っ。……蓬、とりあえず見なかったことにして棚に戻せ」

「え?…これ、ペアの…」

「いいから戻せ!」

「はぃぃいい!!」

 怖いです。なんで怖いんですか!

 そそくさと棚の中にペアのマグカップを戻す。

 …浮かれちゃダメです。でも、勝手に笑ってしまいます。あきくんおそろい大事にしてくれるってことですよね。

 さっき戻って来たばかりのピアスもネックレスもすでに付いていますし。

 えへへ。なんだかうれしいです。

「何笑ってんだ」

「何でもないです♪」

 あきくんがちょっと不機嫌ですが、気にせずに掃除を続けていきました。
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