ありふれた吹奏楽部の物語。
結局6つの音まで鳴らせた新入生はこの後に、サックスとフルートを体験した。

「あの、ありがとうございました。多分入ります。」

帰り際にみやびのところに恥ずかしそうに走ってきた新入生はそれだけ言い残して、みやびの返事も待たずに、また走って行った。

後輩ができるんだな。

みやびは胸の中が暖かくなった。

校舎はもう夕陽に染まっていてまだ少し寒い春をあたためていた。野球部の掛け声の中に1年生は仮入部を終わり下校しましょうという放送が混ざって聞こえた。

みやびは楽器倉庫から引っ張り出してきた古い楽器をしまいながら少しだけ微笑んだ。

< 9 / 9 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop