何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「遥斗」



リビングに行けばソファーに座っている遥斗が目に映る。
後ろ姿だから遥斗がどんな顔をしているのかは見えない。


でもどこか様子がおかしい。
だって遥斗は私の呼びかけに答えようとしないから。


最初は寝ているのかと思った。
でも小さくだが聞こえたんだ。



『っ……』と哀しそうな悲鳴が。


遥斗は何を考えているの?
どうしてそんなに悲しそうなの?



耐えきれなくなった私は遥斗へ近づこうと足を進めた。
でもその足はすぐに動かなくなる。



「悪かった」



たったひと言なのに、私にとってはどんな言葉よりも残酷に聞こえた。



『悪かった』



それは何に対しての謝罪なの?
もしかして私を抱いた事……?


遥斗は後悔をしているのだろうか。
それとも私に悪いと思っているのだろうか。


どっちにしても……辛いよ……。
謝って欲しくなんかない。


私は私の意思で行動したのだから。



なのに……。
どうして謝るのよ……。
< 212 / 430 >

この作品をシェア

pagetop