何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
フワリと香ってくるのは嗅ぎ慣れた拓哉さんの匂いだ。



「っ……」



その香りに泣きたくなる衝動に駆られる。
私の心が、体が、求めているのはこの香りじゃない。



「遥斗……はる……と……」



私が欲しいのはちょっぴり危険な香りがする遥斗の匂いだ。
スパイシーなのに凄く落ち着いて……。
私を虜にする。



あぁ……。
気が付かない間に私はこんなにも遥斗を好きになっていたんだ。


遥斗がいないとダメなくらい……
私は遥斗に惚れている。



頬に流れ落ちる涙が胸を熱くする。



「うぅっ……うっ……」



声が出るのを必死で手で押さえながら泣き続ける。
< 262 / 430 >

この作品をシェア

pagetop