何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「結ばれるだけがHAPPYENDじゃない」

「えっ……」



涙でぼやける視界にゆっくりと私の方に歩いてくる遥斗が映る。


そして、両腕が私をしっかりと抱きしめた。
体越しに感じる彼の温もりも、鼻を掠めるスパイシーな香りも……。
私の心を苦しいほどに締め付けていく。



「俺はこの先もずっと……お前を愛す」

「はるとっ……」



嬉しくて、嬉しくて……
仕方がないくせに……私は何も言うことが出来ない。
彼の愛に応える事は、もう許されないのだから。


自然に震えだす私の体を遥斗はキツク抱きしめてくれる。
そして私の耳元でそっと囁いた。



「お前の心の中に、少しでも俺がいたら……それでいい。
これが……俺たちのHAPPYENDだ」



聞きたくない、お別れの言葉を……。

私が言わなきゃいけない言葉を……。
遥斗が代わりに言ってくれた。


私は最後の最後まで……
遥斗に助けられてばかりだ……。
< 376 / 430 >

この作品をシェア

pagetop