男の秘密
羽奈に相談しようと思ったが、悪戯の可能性もあるので、言えずにいた。

仕事に没頭しなければ、電話の事を考えてしまうので仕事に集中していると、あっという間に昼になっていた。

弁当を作る気力が無かったので、出勤途中に買った、サンドイッチとコーヒーを自席で食べて、そのまま仕事を再開した。

「斉藤さん忙しいの?」

主任の松永に声をかけられ、ハッとして画面から目を離す。

「いえ、忙しくはないんですが、手が空いたので資料整理をしてました」

「休憩時間なんだから、休憩しないと体によくないよ」

心配そうな顔で優を覗き込む松永。

「・・・そうですね。ちょっと休憩します」

確かに座ってばかりで、体が強張っていた事に気付き、素直に頷いて席を立つ。

更衣室に行き、化粧を直した後携帯のチェックをすると、忍からメールが来ていた。

仕事中は出来るだけ更衣室に置いておくようにしているのだが、忍と付き合い出してからは持ち歩くようになった。

忍からのメールのお陰で今までの暗い気持ちが吹き飛んだ。

『これでまた、仕事を頑張れるわ。』
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