男の秘密
診察の結果は過度なストレスによるもので、薬を処方され、帰宅する事になった。

田代には、タクシーで帰ると伝え、実際は黒崎の車で羽奈の家に向かった。

途中夕食の買い物をしたので、羽奈の家に着いたのは8時を少し過ぎていた。

辺りは暗くなり、暑さも多少和らいでいた。

優の眩暈も殆ど気にならなくなっていた事にホッとした。

体調の悪い優を気遣って、ほぼ優専用と化した客室に連れて行く。

緩慢な動きではあるが、優は部屋着に着替えてベッドに腰掛けた。

「何か食べられそう?うどんや、そうめんも有るわよ」

「うん・・でも、胃がムカムカして食欲が無いの」

昼も食べていない筈だが、一向に腹が減った気がしない。

「そう、じゃぁ私は勝手に食べるわね」

部屋を出ていく羽奈の後姿を眺めてため息をつく。

結局、朝一であのメールを読んでしまった所為で、全く仕事が出来なかった。

今でもメールの内容を思い出すと、強い不安が押し寄せる。

相手は忍の事も調べていて、攻撃するつもりなのだ。
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