男の秘密
「冗談じゃない」

押し殺すように低い声でそう呟く忍の顔は、酷く歪んでいた。

事務所内でも否定派、肯定派、中立派に分かれて、すき放題言い合っていた。

お陰で方針が決まらず、ホテルに監禁状態だ。

自分は即刻否定して、優を安心させたいのだ。

何時もは体のメンテナンスを怠る事が無い忍だが、今は無精ひげが伸び、睡眠不足の為、隈ができ、食欲不振の為頬が扱けていた。

そこには、俳優斎賀忍の面影は無かった。




RRR・・・RRR・・・

変えたばかりの携帯が鳴る。

『木戸さん?』

スマホを見ると見知らぬ番号で、出るか躊躇ったが、何かに突き動かされるように電話に出た。

「今電話に出ているのは、忍さん本人かしら」

相手は艶やかな女性の声で話し出すが、名乗らない事を不審に思い、声を出す事を躊躇っていると、更に女性は話を続ける。

「この番号が斎賀忍の番号だって、分かってかけているのよ」

「!、君は・・誰だ?」

月曜日に契約した番号なのに、自分の番号だと確信している声に驚く。

『どこから漏れた?』

焦りと共に、どう対処するべきかを頭の中で素早く考える。
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