男の秘密
週末羽奈に指示された待ち合わせ場所のカフェに来ると、羽奈はもう先に来ていた。

「ごめん。遅れた?」

「いいえ、他の用事が早く済んだから、先に来ていたの」

テーブルの上には半分ほど減った紅茶があり、羽奈の手にはスマホがあった。

向かいの席に座ると、店の人が注文を聞きに来た。自分も紅茶を頼み、羽奈の方を見る。

休日モードの羽奈は人目を引く。

仕事の時には纏めている髪を、緩くカールさせ、化粧も顔に似合う華やかな感じで、カフェのお客の注目を浴びている。

『本人は全然気にしてないみたいだけど』

「それで、どんな所に行くか聞いたの?」

羽奈の急な言葉に一瞬何を言われたのか分からなかったが、どうやら忍との食事場所を聞いているようだ。

「え、と。気軽に入れる、フレンチのお店だって」

「フレンチかぁ」

紅茶を飲みながら、何かを考えている姿さえ優雅だ。

思わず関心してしまう。

「お待たせしました」

店員の声に、現実に引き戻される。
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