男の秘密
「怒った?」

「え?」

「急に黙り込んだから、怒らせたのかと思って」

忍の言葉に振り返ると、心配そうな忍の顔があった。

「あ、いえ。ちょっと考え事を・・・。」

「考え事?」

「同期の子が今月で会社を辞めるんです。・・・あ!寿退社です。」

「寿退社?」

「はい。同期って言っても、その子短大卒だから今22歳なんです。何かビックリしちゃって」

「24歳か。」

「え?!」

何を言っているのか一瞬分からなかったが、直ぐに自分の年だと気付いた。

「俺とは6つも離れてるんだ」

「忍さんは30歳ですか?」

運転席の忍の顔を見ると、無言で頷いていた。

「優から見たら 小父さんだな」

「!?トンでもない!忍さんが小父さんに見える人なんていませんよ!」

慌てて答えたので、力が入って、声が大きくなった。
思いのほか社内に響き、それが恥ずかしく、俯いてしまった。

「ありがとう」

「ど、どういたしまして?」

会話の流れが変になったと気付いた時、二人は思わずクスリと笑ってしまった。
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