男の秘密
「冷めないうちに食べようか」

「はい」

忍の声に一人テンションが上がっていた事に気付き、恥ずかしくなり俯いた。

「沢山食べてね。と言っても俺が作ったんじゃないけど」

「はい」

クスクスと笑いながら返事をして二人は食べだした。

料理はとても美味しくて、忍との会話も自然に弾んだ。

学生時代の話で盛り上がり、あっと言う間に食事が終わった。

『楽しすぎて、名残惜しいなぁ』

料理を運ぶ時にさやかと意気投合し、色々話した。

食後は隆司も混ざり、四人で更に話が盛り上がる。

「そろそろ帰らないと。疲れが仕事にでるよ」

忍の言葉に時計を見ると、10時を過ぎていた。

「ほんとですね。楽しくてつい仕事の事を忘れてました」

『本当は気付いてたんだけど、もう少しって思ってしまったのよね』

始めは三人の世界に入れないのではと、心配していたが、みんなが上手く話を振ってくれたお陰で楽しかった。

このまま帰るのが残念だと思う程、素晴らしい時間を過ごした。
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