男の秘密
初デート?
お昼休みに何時もは殆ど時間の合わない羽奈が、社食に誘ってきた。

「どうだった?」

『やっぱり忍さんとの事が聞きたくて無理矢理時間を作ったのね』

羽奈は社食の鯖煮込み定食を先に食べていた。

「どうだった・・って。楽しかったわ」

「楽しかったって、何か進展があったんじゃないの?」

昨日は帰りが遅くなり、お弁当が作れなかった優も社食で鳥南蛮定食を頼んだ。

「進展って?」

「進展と言えば男女の仲でしょ」

「ゴホッ!」

優は飲み込みかけていたご飯を危うく喉に詰めそうになる。

「な、何言ってるの」

「何って、普通の事じゃない。二人で食事に行って、それだけで帰ってくるなんて考えられないわ」

『考えられないって・・・羽奈の方が考えられないわ』

「忍さんとはその・・何も無かったわ」

「忍さん本当にお礼だけだったのかしら」

「当たり前じゃない。あんなにカッコイイ人に彼女が居ない訳ないわ」

羽奈の言葉に力強く頷く。

『だって、本当に何も無かったわ。』

「でも、次に会う約束はしたのでしょ?」
< 64 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop