転校先は男子校?!
美少年のおかけで
やっと理事長室に入ることが出来た


俺はあたりを見渡す
理事長室には無数の部屋があった


そのどれかが理事長のいる部屋らしい
美少年が教えてくれていた気がする


しかし俺は緊張のし過ぎで
話を聞くどころでは無かった


部屋は一本通行の廊下の両側に一つずつあり
廊下の一番奥に一つと計三部屋あった


普通に考えて一番奥の部屋だろうけど
何故か俺は左側の部屋を開けていた


ガチャリ


俺が意識を取り戻したときには
既に身体が勝手に扉を開けていた


もう開けてしまったものは仕方ないから
中に入る


「…失礼します」


分かってはいたがそこに宮坂さんの姿はなく
他に誰かいる様子もなかった


その部屋にはリビングやキッチン他に多数部屋
があり、人が住めてしまうくらいの部屋だった


テーブルの上にはお皿とコップが置いてある


きっと使ったのをそのまま置いてあるのだろう
まぁ普通に考えて理事長の部屋だろう


「…失礼しましたー」


入ったらダメだったような気がした俺は

ポツリとつぶやき
部屋を出ようと後ろを振り返った時だった


俺の視界に人影がうつり
とっさに後へ下がり距離をとる


これでも一応、だが
自分の身は自分で守れる位の事は教わってきた


空手にボクシング、柔道や剣道
父さんが俺の『もしも』の時の為にって
習わせていたのだ


勿論、楽な事ではなかった
最初の頃は辛くて辛くて
何度やめようと思ったかわからない


それでも俺は自分の為だと言い聞かせて
今まで頑張ってきたんだ


そんな厳しい日々の練習の中
鍛えられた俺の瞬発力は人並みには良かった



自分で言うのはなんだけどな
でもそれくらい自信がある俺の唯一の自慢だ



だから人影がうつった時
すぐ動くことが出来たという訳だ



俺はその人影の方へ目を向ける
そこには背の低い男の子が立っていた


「こんにちは、優希さんですよね?」


その背の低い男の子はニッコリ笑って言った


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