鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「お前のその感じ、もうちょっとどうにかならない?」

「ならない」

「瀬田ぁ……」

小さな口から、俺を呼ぶ声が漏れる。
はぁ、美空は寝ぼけた声も可愛い。

「ん? 起きた?
って……寝言?」

「わ~、立花ちゃん、可愛い!」

むにょむにょと口を動かして、ふにゃぁと笑う美空。
くっそ、どうしてこんなに可愛いんだ!

「おい高橋、見るなって。
俺の夢見てんだよ、今のは俺用の笑顔だ。
可愛すぎてヤバイ」
「たこ……ちぅ……」

夢見てる、立花ちゃん!
なにその寝言!
とか何とか、高橋は面白そうに笑っている。

「よし、起こす」
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