鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「あ、おうっ」

委員長の声に、高橋は俺の前から立ち去った。
たこっちぅと仲良くな! とか言いながら。

「あれ、美空……?」

気がつくと、美空がいない。
どうやら俺が高橋と言い合っているうちに、膝の上から逃げ出したらしい。

「ああ、立花なら、さっき中川と出て行ったぞ。
たこっちぅがどうこう言いながら」

長岡が俺の前を通りながら、言って教室を出て行った。
……。
美空のやつ。
俺をおいてった上に、たこっちぅの話しを広めてやがるのか。
後で、覚えておけよ?
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